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早期発見が重要!認知症セルフチェック

近年の研究で、腸内細菌や細菌がつくる代謝物が認知機能に関連するとの報告が出てきています。最新の研究も踏まえ、認知症予防につながる可能性のある予防対策をチェックしましょう。

認知機能が低下してきた『軽度認知障害』で食い止めることが大切!

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認知症は、脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し日常生活全般に支障が出てくる状態のことです。また認知症といえないまでも、記憶などの能力が低下している状態を「軽度認知障害」といい、約1割が1年以内に認知症に移行するといわれています。この段階から予防的活動を開始することで、認知症への進行を遅らせることが期待されるため、早期発見・対応が大切です。現在、この予防的活動の1つに薬剤も選択できるよう研究が進められております。20237月に米国ではアルツハイマー病(AD)の進行を抑制し、認知機能と日常生活機能の低下を遅らせることができる薬剤が承認されています。

認知症かな...気になり始めたら認知症セルフチェックを!

認知症が気になり始めたら、次のリストを使ってまずは自分でチェックしてみましょう。以前と比べて変化がないかなど、ご家族や身近な方の定期的な確認も大切です。

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東京都福祉保健局「とうきょう認知症ナビ」を元に作成

合計で20点以上の場合は、認知機能や社会生活に支障が出ている可能性があります。このチェックリストの結果はあくまでもおおよその目安で、医学的診断に代わるものではありません。認知症の診断には医療機関での受診が必要です。気になることがあれば、気軽に近くの医療機関や相談機関に相談してみましょう。

※身体機能が低下している場合は、点数が高くなる可能性があります。
※認知症では、せん妄や精神疾患がないことも診断の要件になります。


認知症予防には「生活習慣」と「腸内細菌」?

認知症の多くは、高血圧や糖尿病、脂質異常症などとの関連が指摘されているため、バランスのよい食事や適度な運動などの生活習慣が、認知症のリスクを下げると考えられています。

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バランスのよい食事とは?

食事と認知症に関する研究では、
ごはん、味噌汁、海藻、漬物、野菜、魚介類、大豆類、果物、きのこ類、緑茶などの日本食に、コーヒーを追加した食事の摂取が多い人ほど、認知症の割合が低くなりました。

【 認知症でない人が特に多く摂取していた食品 】

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認知症の有無で異なる腸内細菌叢

認知症がある患者さんと認知症のない患者さんを比べると、腸内細菌叢の内訳に大きな違いがありました。
また、軽度認知障害のある患者さんでも腸内細菌叢が異なっており、認知症の前段階から腸内細菌叢が変化していることが分かりました。
佐治先生の研究では、認知症がある患者さんで、特定の腸内細菌の割合が減少していました。

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この研究結果から、日本食が腸内細菌によい影響を与え、それによって腸内細菌が代謝産物を介して認知機能に関与している可能性が示されました。
さらに、認知症患者さんの糞便を調べると、腸内細菌がつくる"乳酸"が低下していたという新しい発見も報告されています。腸内細菌と認知症にどのような因果関係があるかは分かっていないものの、今後研究が進んでいけば、プロバイオティクスの摂取など腸内細菌への働きかけによって認知症対策につながることも期待されます。

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記事の監修

佐治 直樹先生

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国立長寿医療研究センターもの忘れセンター 副センター長
1999年岐阜大学医学部卒業。
兵庫県立姫路循環器病センター神経内科医長、
川崎医科大学脳卒中医学特任准教授などを経て
2015年より現職。
主な研究テーマは、腸内細菌と認知機能の関連、脳卒中と認知症に共通する危険因子の解明など。

総合監修

菅野 健太郎先生

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自治医科大学 名誉教授。
1973年東京大学医学部医学科卒業。76年東京大学医学部第三内科に所属、アメリカ留学後、85年同大学医学部第三内科助手、91年東京大学保健センター助教授・副所長。98年自治医科大学消化器内科主任教授。2014年より同大学名誉教授。日本消化器関連学会機構理事長、アジア太平洋消化器学会機構理事長などを歴任。
消化管の細胞生物学的研究(消化管ホルモン、酸分泌機構、細菌と胃癌)ならびに消化管疾患の治療と予防に関する研究を行っている。