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腹部膨満感

どうして腹部膨満感が起こるの?
犯人は空気と腸内細菌!?
お腹が張って苦しい、痛いという状態を「腹部膨満感」といいます。
主に腸管内でガスがたまることで起こり、そのガスのもとになるのが大きく次の2つです。

1口からのみ込んだ空気
私たちは、普段の生活の中で空気をのみ込んでいますが、例えば食事の時や緊張した時など、多量にのみ込む場合があります。のみ込んだ空気が胃腸をふくらませて腹部膨満感の原因になります。


2腸内細菌が産生するガス
腸内細菌は大腸に運ばれた食べ物を分解する過程でガスを産生します。その際に、腸内環境の状態が悪かったり、人体では消化されずに腸内細菌のエサになる食べ物などを摂りすぎると、ガスが大量に産生されてお腹にたまりやすくなります。

腹部膨満感は女性を中心に多くの人にとって身近な症状といえます。だからといって放置していると、生活の質(QOL)に影響してしまうことも。げっぷやおならは我慢せずにしっかりとガスを排出するなど正しく対処して、お腹にガスがたまるのを防ぎましょう。

こんなことも
腹部膨満感の原因に......
何が腹部膨満感を引き起こしているのか。
その原因をつきとめることが改善につながります。
ストレス
ストレスなどによって腸の機能がうまく働かないとガスの排出が妨げられ、お腹が張る原因になります。

便秘
腸管内に便がつまっていると、おならを排出することができずにガスがたまってしまいます。

バランスのよい
腸内環境が大切
腸内には様々な種類の腸内細菌が多数生息しています。主に「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」の3グループ※に分けられ、悪玉菌より善玉菌が多い状態が理想的な腸内環境。しかし、食生活の乱れなどにより腸内のバランスが崩れると、下痢や便秘、腹部膨満感などお腹のトラブルにつながります。
※ただし、この区分は必ずしも科学的に明確な基準があるわけではなく、条件によってはいわゆる善玉菌であっても体に悪い影響を与える場合があります。

お腹のふくらみに注意!
腹部膨満感は様々な病気でみられる症状ですが、まれに重大な病気が関係しているケースがあります。
それを見極めるカギは「お腹のふくらみ」。
腹部膨満感の人でお腹がふくらんでいる場合は、大腸がんなどの病気が関係している可能性もあるため、症状が⻑く続く場合は注意が必要です。

※腫瘍や腸のねじれなどによる閉塞は認められないが、大腸が病的に拡張した状態のこと。
腹部膨満感のセルフケア!
日頃の生活習慣とも大きく関連している腹部膨満感。
お腹にやさしい生活が予防・改善の第一歩です。

1日の生活リズムを整える
早起きして朝ごはんをしっかり食べましょう。
大腸が活発に動き始めるため、お腹のガスも排出されます。

運動でお腹も気持ちも爽快
適度な運動は腸に刺激を与え、腹部膨満感の原因の1つである便秘の改善に役立ちます。

プロバイオティクスを摂取
プロバイオティクスとは、体によい影響を与える生きた微生物のこと。プロバイオティクスを摂取して、腸内環境を整えましょう。
特定の食品が原因に
なることも......
腹部膨満感に悩む人の中には、小⻨やキシリトールなど特定の糖類を摂ることによって、大腸でガスが発生しやすくなる人もいます。右のような食品を控えると症状が改善されたというケースもあるので、一度試してみてはいかがでしょう。

腹部膨満感は身近な症状ですが、
重大な病気が関係している場合もあります。
痛みや違和感を放置せずに、気軽に医師に相談しましょう!

記事の監修 : 星ヶ丘マタニティ病院
内科部長 金子 宏先生